診断書

新宿のクリニックを少し離れたビルの1階で、

先ほど医師から頂いた封筒を開け、診断書の内容を確認してみた。

傷病名:適応障害

抑うつ気分、易疲労感、不安、不眠などの症状などがあり労務不可な状態である

改めて自分は病気なのだと実感した。

会社は休んでいるのでゆっくり歩いて帰ってみようと思った

久しぶりみる夕日が綺麗だった、オレンジや紅様々な色が混ざっていていた

いつも仕事の帰りは夜中なので、夕日も見ることがなかった。

健康のため二駅ほど歩いて帰るのだが、夕暮れ時と夜中では色彩の数が違うのは当然といえば当然かも知れない

ここ数週間、いやもしくは数ヶ月、私の色彩は白黒、セピアなど単調なものになっていたのかもしれない

そういえば、クリニックの待合室では光が眩しくて

目をつぶっていた、コロナでマスクのせいなのかと思ったが呼吸も大きく意識しないと苦しかった

前日も実はクリニックに行った。なので私の病気が「適応障害」であることは知っている。

ではなぜ今日もクリニックにいるか?それは休職のために診断書をもらいに来たのだ。

人事に休職の相談をしたら、診断書を持ってきてくださいとのことだったからだ。

今日は声も元気で調子が良いので医師から診断書を書いてもらえるかが不安だった。

でも、いざ自分の呼吸や、目から入る情報に耐えきれず目を瞑っている状況を客観しすると

やはり普通ではないのだろう。

診断書をバックに背負い、今後の休み方について考えながら

気晴らしに歩いて帰る途中、不意に涙が出てきた。

ちょうど新宿のサラリーマンが定時で退社する時刻

誰もすれ違う人の目なんか見ないだろうが、あまりにもあふれてきたので

バレないようにサングラスをかけた。マスクの中を涙が伝う。

その感情は大きくこうだ

・やっとゆっくりできる開放感

・こんなになるまで自分自身に気付けなかった情けなさ

・悔しさ

・「引き継ぎとか仕事より、今は自分の健康を第一に考えて下さい」といてくれた部下の言葉のありがたみ

これらがものすごい勢いで渦を巻いていた。

そういえば、今日は休職の準備でバタバタしていて、肝心の私をその会社に引っ張ってくれた上司に連絡してなかったことを思い出し、他の人伝いに私のことを知るのもいけないだろうと、事の経緯の一報を入れた。

数分もしないうちに返事が返ってきて私の体を気遣いってくれる暖かいメッセージが返信された。

西新宿のビルの影で肩を震わせながら泣いた。

すまない、ちょうど日付も同じ二年前に私を拾ってくれたのに、こんなになってしまって

もっと恩返ししたかったけど、もう返せそうにない。

これが私の限界でした。